新型コロナ下でも、中国系オンラインカジノ運営会社は完全に営業禁止と
ならず存続してはいたのですが、今回、175社が営業停止処分となり、
所属する中国人社員4万人が送還される、というニュースです。
出典:ロイター
フィリピン不動産については、よく、人口ピラミッドとか、OFWの送金とかアピール
されてきましたが、私自身、2017年から2019年にかけて、フィリピンで
不動産仲介ビジネスをやっていて痛感したのが、とにかく中国、でした。
なにしろ、マカティやセブの事務所にいたら、次々と中国人が来て、空いてる部屋ないか、
あるいは、売り物件はないか、と、ひっきり無しだったのです。
当時、マカティであれば、バレロ ストリート周辺は中国人向けのレストランや
食料品店、不動産屋が沢山あり、街には中国語が飛び交っていたものです。
セブのマクタン ニュータウンでも、中国人があふれ、ビルの1階のテナントは
中国系コンビニ「超市」や中国料理店が目立ち、ニュータウン外部も、
もはや、リトル チャイナ、といった雰囲気でした。
とにかく、中国人でほとんど空室が埋まってしまい、空き物件が出たら
すぐに取り合いとなり、それに従い、家賃も、売買価格もどんどん上がって
いくという、日本では考えられない状況がしばらく続いていたのです。
ところが、まずは、新型コロナで激減し、さらに今回の規制、送還というのは、
フィリピン不動産にとってはかなり痛手と見ています。
別の記事では、マニラ首都圏のオフィスビルの賃料水準は半減以下、20年前と
同等水準まで下落する、という予測もある位です。
これは、相場より高くても中国系は借りてくれた(その代わりに、ヴィザ無し
とかでも貸していた、という側面もありますね)、ということなのですが、
今回のような事態になると、空室だらけになり、貸し手はダンピング合戦と
なる、という悪循環が予想できます。
コロナに収束が見えて、フィリピン不動産の明るい未来を夢見ては
いたのですが、下手すると、売りが殺到する事態になりかねないですね。
もちろん、他の要素も不動産市況に影響するので、引き続きウォッチしていきます。
しかしながら、最盛期では30万人の中国人が居て、仮に4人部屋だとすると、
75000室もの需要があったものが、もし将来的にゼロということになれば、
フィリピン不動産にとっては甚大な影響になると予想します。
もちろん、他の要素も不動産市況に影響するので、引き続きウォッチしていきます。