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【フィリピン不動産投資】中国人の撤退で厳しい環境が続きます【コンドミニアム】

フィリピン

フィリピンの不動産市況は、相当長期間、厳しい状況が続きそう、というお話です。

以下、2020年9月24日付け、フィリピンの有力紙、INQUIRERより引用します。

オンラインカジノ(ゲーム)業者の撤退により、メトロマニラのオフィス、コンドミニアムの空室が大幅に増加

Pogo exodus seen to empty more than a tenth of Metro Manila offices, condo units

以下、本文の和訳要約です。

POGO(Philippine offshore gaming operator )の撤退は、税収落ち込みのみならず、膨大なオフィススペースとコンドミニアムの空室をもたらしている。

これは、20年以上前のアジア通貨危機以来の不振である。

ドミンゲス財務大臣が言うには、

“昨晩、マカティ市のビルオーナーが電話で、POGO関連のクライアント達が賃貸契約の解約を始めたことを伝えてきた”

また、

”中国は資金移動の規制を従来より強めてきており、加えて、中国政府は中国人労働者へのパスポート発給の停止も行っている”

との事。

 

BIR(フィリピンの税務当局)のコメント

POGO労働者(ほとんどが中国人)の大部分が、フィリピン国内で蔓延しているCOVID-19感染を恐れて、帰国した

 

業界関係者のコメント

この2カ月(2020年7月、8月前後)で、オンラインカジノ関連の数多くの中国人、フィリピン労働者が解雇されている。

現在の操業率は30%程度だが、中国から来ている労働者への住居費や食事に某大なコストが掛かっている状況。

仕事がない中で、感染防止のため、住居に隔離された状態。

Pagcor(カジノを統括する組織)の2020年9月8日付デ―タによると、

2020年初め時点でのPOGO登録業者数は55だったのが、29しか操業を認められていない。

理由は、税金未納(※かねてから大問題になっています)と感染防止策不適合。

加えて、2020年初頭には、13万人~15万人が218社のサービス事業会社の元で働いていたのが、現時点では99社のみが操業を認められている状況(※実際に営業しているかは不明)。

 

不動産情報会社 コリアーズ シニアマネージャー Bondoc氏

POGO事業者の全てが撤退の場合、マニラ首都圏のオフィス空室率は2桁台に達すると推測する。

2020年第二4半期時点で、POGO関連のオフィス需要は、マニラ首都圏全体の11%に達していた。

第二4半期のオフィス空室率は5%だが、POGO全撤退の場合、16%に空室率が上昇する。

 

今回の市況悪化は、1999年アジア通貨危機以来のもので、当時、平均賃貸料金は16%下落した。

2020年の平均賃貸料金予測は、17%の下落だが、POGOに供給していたオフィススペースについては、20%から30%程度の下落を見込む。

2020年のオフィス需要は、20万平米未満に留まるのに対して、供給は40万から50万平米となる。

 

オフィス需要の減退に伴い、居住用賃貸市場も減退する。特にPOGO関連の中国人が入居していたコンドミニアムにおいて。

2020年第二4半期の空室率は11.8%だが、年末には14%から15%に上昇見込み。

 

POGOだけではない経済全体の数値悪化が、コンドミニアム市況にも影響するのは必至。

2020年上半期のGDPはマイナス9%、失業率は4月には17.7%という記録的数値となった。

このような市況悪化を踏まえ、新築コンドミニアム販売業者は、10%から15%の値引き販売を余儀なくされるだろう。

中古物件価格については、13.8%の下落を見込んでいる。

 

 

この記事から読み取れること

マニラ

実際のPOGO労働者は、もっと多かった(無認可労働?)

先の記事で取り上げられていた、13万人から15万人の中国人労働者というのはあくまで、認可された業者関連の数値と考えるべきでしょう。

僕自身、2018年にマニラとセブで不動産ビジネスを行っていた際に多く目にしたのが、観光ビザで働いている多くの中国人でした。

したがって、公表された数字よりも減少人数は多い

ということは、最大減少人数は15万人ではなく、もっと多い可能性が高い、ということです。

仮に15万人が4人部屋で暮らすとして、必要となる部屋数は、37500室にもなります。

これが退去となった所をフィリピン人だけで埋めるのは至難の業です。

(外国人の入国は一部ビザ保有者以外不可です。労働許可証持っている日本人でも入国できない状況です)

 

空室率は実態を反映していない可能性が高い

例えば、僕の顧客で多いのが、フィリピンの不動産業者とサブリース契約して、そのユニット(部屋)がホテル運用などに使われている場合ですが、これは空室率に反映されないと思われます。

このようなサブリースユニットの多くは、リサーチ会社が調査対象とするマーケットに出てこないものです。

実際、僕が関連する日本人オーナーのユニット全体の空室率は8割を超えています。

ですから、不動産賃貸市況の実態は、公表数値よりもはるかに悪いと考えられます。

 

今後のフィリピン不動産の見通しは?

質問

経済全般の回復まで、最低3年から4年

現地の不動産会社にヒアリングしたところ、経済全般の回復まで、少なくとも3年から4年はかかる、との声がありました。

確かに、東南アジア諸国の中でも、新型コロナの蔓延と経済停滞が最も深刻なのがフィリピンです。

 

マニラ以上にセブは深刻な可能性⇒賃貸は相当厳しいです

メトロマニラには製造業や金融業など、一定の産業蓄積がありますが、セブは観光と小売などのサービス業以外の集積が非常に弱いです。

僕自身、かつて、セブの不動産仲介ビジネスを行っていましたが、テナントのほとんどが中国人オンラインカジノ従業員か外国人のリタイアメント滞在者、でした。

あとは、エアビ―のような短期滞在の外国人ですね。

 

これらの需要がほとんど見込めない時期が、まだ、相当な長期間続く可能性が高まってきましたので、デベロッパーのインハウスローンを支払い続けている物件オーナーにとっては、かなりしんどい状態が続きますね。

 

売却はできるのか?⇒安くなるが、不可能ではありません

かなり安値になってしまう可能性はありますが、長期目線の投資家が購入する可能性はあります。

実際、僕の所にセブのエージェントから問い合せがあり、かなり安くはなりましたが、マクタン島のコンドミニアムの売却が決まりました。

不動産登記などの手続きは出来ますので、売買は大きな問題なく可能な状況です。

 

まとめ:総悲観は不要ですが、かなりの期間の辛抱は必要ですね

エリア、物件により異なりますが、賃貸の場合、最低1年以上はテナント入居の期待はあまりできない、と考えておくのが妥当と感じています。

相当な辛抱が必要ですね。

一方、余裕資金がある方は、長期目線で買い、というのもありでしょう。

ただし、現地の状況を自身で見ないでの不動産投資となりますから、そのリスクは考えておくべきです。

(投資は自己判断、自己責任でお願いしますね)。

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