ピーチ機内で、マスク着用を拒否して強制降機させられた人物が、今度はホテルでトラブルとなり、警察が出動する騒ぎとなりました。
今回はマスク着用云々、というよりは、このようなカスタマーによる被害に遭わない、身を守る方法について解説します。
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営業上、ビジネス上、招かられざる客は事前に謝絶する、受入れないのが大事です
ネット記事でやりとりを想像しましたが、不毛の一言、ですね。
食事会場で利用客のひとり(マスク拒否客)とホテル従業員がもめているのを見せられた一般のお客さん達の気持ちはどのようなものか?
楽しい旅行が台無しになったのではないでしょうか。
一方、ホテル側は、正直なところ、気の毒でしかありません。
もらい事故、みたいなもの、です。
まさか、ピーチで騒ぎとなったマスク着用拒否マンが自分のホテルに泊まりに来ているとは思いもしませんからね。
加えて、自身のツイッターで、”今イチな客層の人たちが多い”とか、”バイキング食事会場の感染防止対策が不十分”などと書かれて、気の毒でしかありません。
ただし、何事も、”ご理解とご協力” で成り立ってきた日本のセキュリティホールを突いてくる人が出てきた以上、対策が必要になってきました。
利用前の段階で、招かれざる客を排除する仕組み、あるいは同意してもらう仕組みを強化しましょう
ホテル宿泊や飲食など、すべてがひとつの契約行為であり、契約には双方の同意が必要です
今回のケースであれば、予約段階で、マスク着用ルールに同意しないならば、予約を受け付けない、とサイト状に明記して、同意のチェックマークがないと予約に進めないようにしておくのが、今後は必要ですね。
それでも、ホテルまで実際にやってくるかもしれませんが、その場合には入館を断ればいいですし、同意していることを示して、利用拒絶すればいいのです。
今回は、ホテル側がマスク着用ルールについて利用約款に明記していなかったので、マスク未着用さんは、法律を盾に屁理屈を展開したわけですが、ホテルのプライベートルールに明記しておけば、もっと強く出られました。
このあたり、今までは、”ご理解と協力をお願いすれば、ほとんどの人は聞いてくれる”という世の中だったのですが、何しろ、この人は、席の移動も拒否ったそうですからね。
凡人の僕なら、周りの視線が気になって食事どころではないのですが、そうではない人が大手を振る世の中になってきた、ということです。
自分のホテルや店のプライベートルール、ハウスルール、利用約款を作りましょう
例えば、格式高いレストランで、ジャケット着用のルールがあるとします。
予約時点で同意してもらっていれば、仮にジャケット無しで入店しようとしても断れるのです。
このような状態をマスク非着用さんは、旅館業法などを持ち出してくるのですが、要は事前に排除しましょう、こういう類いの人は、ということです。
事前に同意してもらうメリット
そんなの聞いてない! 問題をなくせる
性格が優しい人、営業マンほど、陥りがちなのですが、先に厳しい内容、例えば、キャンセル料金を明確に伝えるのが苦手、という人はいるものですが、これは後々、トラブルの元です。
事前段階では、
”まあ、大丈夫ですよ。”
といった説明をしながら、いざ、キャンセルになったら、
”実はキャンセル料金がかかりまして”.
といった説明をする。
これは最悪で、特に、タチの悪い客にこれをやったら、大トラブルになります。
一方で、事前に、一見、嫌なことほど、明確に説明して、同意を得ておくのは、逃げてはいけないステップです。
これにより、お客さんの側も最大のリスクを知ることができるのですから。
好ましくない客を受け入れずに済む
僕の経験上では、キャンセル ルールなど厳しめな話をして、
”ふざけんな、そんなえらそうな事抜かしやがって”
みたいな事を言われた経験は皆無、です。
あったとして、”それなら、予約を止めます” 程度です。
でも、事前同意を徹底しておけば、今後、あなたのところにも、マスク未着用さんみたいな人が来るのを避けられる可能性が高いのです。
時節柄、マスクについては、特に大きく表示、掲示して、目立つようにしておくのもよいでしょうね。
ホテルなど営業担当者のストレスが大幅に減る
僕自身、かつて会社員だった時、お客さんに不利になることは言いたくないと思い(というか、会社全体がそういう雰囲気でした)、取引が完了するまで、
”万が一、取引キャンセルになったらどうしよう、いやだなあ”
といったストレスが多かったのですが、今は、あらゆる取引の際、発生する可能性があるコストやデメリットをあらかじめ、メールや文書で説明し、同意を求めるようにしています。
そうしましたら、
〇〇になったら、どうしよう、
といったストレスは皆無となりました。
ホテルなどの営業担当の方も、事前にあえて、厳しいこと(起こりうること)を説明しておけば、とても気がラクになるものです。
実際のところ、日々の業務では、マスク非着用さんのようなトラブルは起きないのですが、びくびく過ごすのは、良くないですからね。
接客対応のハードルを下げましょう
すべてのお客様に理解してもらおう、など無理です
僕自身、かつて経験があります。
利用前のお客さんが、
”それはおたくが勝手に決めたルールだろ。俺はそれに従うつもりはない”。理解できない”。
と言ってきたのですが、
”理解いただくのを強制はしませんが、同意いただけないのであれば、ご利用自体をお断わりします”
と返答しました。
そうしましたら、相手は慌てて、”そんなつもりはないです。利用しますので。”と言ってきました。
ほとんど、そんなもの、なのです 笑
一方、ここで、まだゴネる相手ならば、”契約自由の原則”を用いて、ご利用をお断り、というか、受け付けなければいいです。
マスク未着用さんは、法律を持ち出して、飲食店もマスクを理由に入店禁止にはできない、とコメントしていますが、へき地の食堂や食料品店でもない限り、他にいくらでもお腹を満たすお店はあります。
ですから、まったくの屁理屈、なのです。
マスク着用を徹底させたいなら、店頭に大きな掲示をしておく、ことですね。
”ご理解、ご協力をお願いします”は、使わない方がいい言葉、です
要は、理解しなくてもいいから、こちらのサービスを利用したいのであれば、同意してください、ということです。
よく、”ご理解、ご協力をお願い申し上げます。”という言葉がよくつかわれますが、止めた方がいいです。
この言葉を無意識で日常的に使っているから、常にゴールが”理解”になってしまうのですが、今のご時世、マスク未着用さんみたいな人がたくさんいるわけです。
そこで理解をゴールにすることは大変ですし、意味ないので、
理解してもらうのは義務ではない
と自分に言い聞かせれば、かなり気持ちがラクになりますよ。
なお、僕は取引相手に対して、一切、お願いします、とは言いませんが、
”〇〇の件、ご理解いただき、まことにありがとうございます”
とは言うようにしています。
まとめ:日本の接客業は大変過ぎますが、少しでもラクになってもらいたい、ですね
契約というのは双方が対等で合意に基づくものだ、という大原則を常に意識するのはとても大事ですね。