にもかかわらず、早朝に目覚めてしまい、ぎりぎりまで布団にこもっている時間のつらさは、だれも理解してくれないだろう。
なんとか通勤電車に乗るが、会社のことを思い浮かべると、気分が悪くなってくる。うつ状態かな? でも、親から逃げたらいけない、と教わってきたし、はずかしい。
どうしたらいいか、悩んでいます
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解決方法:いま、自分を苦しめている対象そのものから、逃げる
うつ状態になった場合に、克服しよう、とムリに気合いを入れても、うまくいきません。
思考力、精神力が低下しているので、以前の元気だったころの自分に出来ていたことまで出来なくなり、
自分はこんな事もできなくなったのか、もう終わりだ
とネガティブパイラルにおちいってしまうのです。
”今、ここから逃げたら、一生逃げる人生になるぞ” は単なるおどし、脅迫。
以前から良く使われてきた、上司の言葉ですが、これはおどしであって、決して、親身なアドバイスではないこと、無理を通すために言っているのだ、と理解することが重要です。
逃げる対象の具体例
今のプロジェクト
今の上司
営業ノルマ
場合によっては、会社の場合もあるが、いきなり、退社とまでいかなくても、担当している仕事から逃げるだけで、ラクになることは多いです。
今のプロジェクト
→上司に、今の自分の力量では、きびしいです。自分だけでは人手が足りません、とはっきり言う事。
真剣に向き合えば、上司にはプロジェクト遂行の責任があるので、前向きな対応をしてくれる事が多いものです。
こんな事言ったら、評価が下がる、とか、言いづらい、と思ってしまう、真面目な人ほど、自分を追い込みすぎてうつ状態になるものです。
逃げる、という言葉自体が、非常にネガティブに定着していますが、苦しんでいる現代人に最も必要なのは、逃げる、事です。
うつ状態になっている原因そのものから逃げるのではなく、酒やギャンブルで解消しようとしても、さらに症状を悪化させてしまう。
多重債務者も似ています。
最初は5万円程度の闇金借り入れだったのが、次第に金額がふくらみ、もはや返済不能になってしまう。
今の上司
→上司とガチで正面から向き合っても解決しない可能性が高いし、失敗したら、さらに苦しい立場に追い込まれるリスクもあるので、まずは同僚に相談して、とにかく、ひとりで背負わないこと。
同僚がダメなら、会社の人事相談窓口。
これも期待できないようなら、休職か退職を考えるのもあり。
とにかく、無理に克服しようと思わない事です。
ポジティブ過ぎるアドバイスは危険です。
営業ノルマ
→これも、上司に、自分には無理、です。と、率直に告げることです。
仮に、プレッシャーではあるけど、何とか乗り越えて、自分の限界を超えよう、と心から思えているなら、ぜひ、がんばるべきですが、そうではなくて、何も前向きな事ができない、とか、そもそも、営業活動自体がしんどい、と言う場合、乗り越えるべき対象物がまちがっているので、率直に告げるべきです。
なお、大部分の会社で、ノルマ達成できないから、即、解雇とか減給というのはありません。
単なる、働く側の思いこみ、自己洗脳であることがほとんどなのですが、仮にそういう事を直属上司だけでなく、社長や役員クラスが言ってくる会社ならば、速やかに辞めた方がいいです。
その会社に居ること自体がまちがっています。
無理に自らを追い込み、うつ病、アルコール依存症を発症した有名人
中島らもさんの名著「今夜 すべてのバーで」は、らもさん自身のそううつ状態、アルコール依存症の体験を小説化したものですが、こういったくだりがあります。
主人公(モデルはらもさん、本人)は、ライターとして、ある日、新作を引き受けて、最初は資料作成など、構想を楽しくやっていたのだが、締切が近づいても、全く何も浮かんでこない。
何も書けない。
何とかしようと酒の力を借りていたが、どうにもならない。
この期に及んで、できません、とも言えない、と思い、酒量が激増、出版社からの電話にも出ず、最終的には急性アルコール性肝炎で入院となった。
らもさんは、
できません
と言えなくて、地獄の苦しみから酒に救いを求めた結果、アルコール依存症で入院となりました。
僕自身も、実力以上の仕事を担当して、苦しみぬいた経験があるので、この小説には心を揺さぶられたのですが、
ムリなものはムリ
と、思うことが、とても大事だと、最近では常に意識しています。
それでも、ココロがラクにならない場合におすすめな方法
深刻なうつ病まで至らない、うつ状態の場合、現状から逃げることで、かなり解決するものですが、もし、状態が良くならないのであれば、
精神科に行くか、産業医に相談する
これもありです。
良いアドバイスを受けられる可能性もあります。
多くのケースでは、近くに相談する人がいない、自分の悩みを打ち明けられないことから、深い闇に沈んでいくものですが、しゃべるだけでもラクになることがありますし、このような状態の場合、自分自身の思考力、問題解決力が落ちているので、大変な問題だ、と思い込んでいただけで、周りの人に相談してみたら、意外と容易に解決した、という事もあります。
とにかく、ひとりだけで、考え込まないのが重要です。
まずは、現状の苦しみから逃げて、心をラクにすれば、再び元気になれる可能性は高いものです。