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結論:日本人オーナーの10人に9人は海外不動産投資はやめた方がいい
儲かる場合もありますが、下記の点から、実際は難しいです
言語の問題
請求書など、手紙やメール来ても、内容が全くわからない。
中には、FINAL NOTICEという、支払い督促の最終通告もあったのですが、そのままにしていたら、物件を没収されてしまった、という気の毒なケースもありました。
基本は、日本人向けの販売会社がサポートしますが、手が回らないケースもあります。
加えて、全く英語が分からないとなると、和訳を見ても、それが本当に正しい内容なのか検証できないのが問題です。
大部分の国で、契約書は英語で作成されていますが、和訳文章には、法的な拘束力はなく、単なる参考資料でしかありませんから、後で契約内容で揉めた場合でも、どうにもなりません。
私自身、契約時点と話が違う、といった声を沢山聞きましたが、勤務していた会社では販売は行っていないので、どうすることもできませんでした。
情報格差の問題:正確な情報入手は難しい
情報の入手先は販売会社か紹介者からになりますが、当然ながら、販売に不利な情報は流さないケースが多いです。
(これを詐欺だ、という人もいますが、日本の不動産投資でも同様のケースはありますから、詐欺ではなく、ポジショントークの範疇がほとんどです。)
フィリピン不動産であれば、英語が読めるのであれば、下記のような情報サイトがありますが、日本語で、ニュートラルな不動産情報を見付けるのは容易ではありません。
日本との商慣習、道徳観の違いでストレス大きい
販売会社や管理事務所に問い合せのメール送っても、全く返信がない、などというのは、日常茶飯事です。
デベロッパーの過失で、物件代金全額支払い済みにもかかわらず、引き落としが継続し、その返金に半年以上かかったことも経験しています。
私自身もフィリピンに物件を購入しましたが、正直、遭遇するストレスを考えたら、1千万円程度のユニットひとつ持っていても、全く割に合わないと感じています。
日本人には高く売っている。詐欺だ! について
当初の販売会社が、30万ペソのサポート手数料を請求していたのですが、その後、私が業務を引き継いで経験したのは、
・あらゆる文書やメールを翻訳してください、という依頼
・○○って、なんですか?
といった日本のお客さんからの問い合わせでした。
これでは、それなりの手数料もらわないと、全く割に合わないことを痛感しましたね。
でも、投資家の視点でみたら、これを払っていたら、地元の投資家に勝てる訳ないのです。
海外不動産投資をしても良い人は?
余裕資金あることが大前提です
いわゆる富裕層で海外に現物不動産、現物資産を持ちたい、という場合には良いです。
かく言う私自身、サラリーマン時代にマレーシア、ジョホールバルのコンドミニアム(MOLEK PINE 4) を買いましたが、一般のサラリーマンがローン組んで買うものではないですね。
でも、英語が得意で、かつ、海外不動産を趣味的に楽しめる方であれば、富裕層でなくても、実際にうまく成果を出しているケースはあります。
数少ないですが。
中国人の購入は正しいアクションだった
フィリピンの物件管理会社勤務時代、大量の中国人がマニラやセブの物件購入して、日本人の物件を沢山さばいたのですが、中国人購入者には正しいニーズ、意図がありました。
・中国国外に資産を持ちたい
・いざと言う時に国外逃避できる拠点が必要
ほとんどの日本人には、このようなニーズは無いと思います。
一般的に教えられる失敗しない方法は、ほとんど無理な件
デベロッパーの企業規模や信頼性をチェックする
これは可能ですね。
フィリピンであれば、アヤラ、SM、メガワールドといった大手であれば、ここ数年で破たんしたプロジェクトはなく、安心できますね。
賃貸需要を確認する
難しいです。
これをしっかりやっていた日本人投資家は、自分の経験上、10%もいませんでした。
販売会社か物件管理会社にメールで聞く程度で終わっていました。
自身で現地の不動産業者複数に足を運べて、会話できる位でないと、正しい情報を入手するのは難しいです。
海外不動産で融資を受けられる金融機関を確認する
難しいです。
実際にあったのが、購入時点では、販売業者から、
”銀行融資大丈夫です”
と言われたのを信じていたのが、その後、融資が通らず、デベロッパー自体のローン(インハウスローン)を借りることにしたが、利息が高く(年率12%以上)なり支払い不能、大幅損切りで売却、結局は数百万円の損失で終わった。
こんなケースです。
日本の金融機関も同じですが、事前の融資確約というものは実質無効です。
さらに、外国人には厳しい姿勢が基本です。
物件購入前に周辺の開発状況を調べる
難しいです。
日本人向けに売られる物件の多くは、プレビルド、プリセールと言われるもので、建築予定地は販売時点では広大な原野か広場です。
確認と言っても、業者のトークや、きれいにつくられたパース(完成見本)以外で情報を得るのは、ほとんどの人には難しいです。
海外不動産の大部分は詐欺、ではないです
でも、実績ない新興デベロッパーのプレビルドはリスク高い。頓挫したら、ほぼ全額アウト
私が相談を受けている物件はフィリピンやタイなど、いくつもありますが、建築途中で資金が尽きて、野ざらしになっているものがあります。
デベロッパーごと破たんの場合、投資したお金はほとんど戻ってきません。
日本人にしか売られていない物件は?
これは正直、リスク高すぎです。
タイのアユタヤやフィリピンのリゾート島でも問題が発生していますが、
そもそも、価値が高い不動産部件であれば、まずは、地元の人が買いたいとアクションするものです。
それなしに、日本人だけが購入対象というものは、不自然です。
空港が出来る、とか、街自体の開発といったインフラがらみの案件も良く精査する必要
代表的な頓挫例はマレーシア、ジョホールバルのイスカンダル計画の一部エリアですが、前提となる開発が中止になったら無価値となる物件も非常にリスクが高いですね。
確かに夢はあるのですが。
複数の海外不動産を買えば分散になる、は間違い
自分は、マレーシアとフィリピンとタイにコンドミニアムを買って、リスク分散している、という人がいましたが、これは間違いですね。
資産クラスでは、現物不動産、海外、というカテゴリーに集中しすぎで、逆にリスクが高すぎです。
フィリピンは人口が増えているから買い?OFWの送金だから買い? ⇒その国の不動産株でも買いましょう
マクロ経済のセールストークに釣られて、フィリピン不動産などの海外不動産の個別物件を買うのは、かなり短絡的です。
逆に言えば、日本は人口減少でも、投資物件を買って、賃貸収入で利益を上げている人はいますよね?
マクロ経済に魅力を感じるなら、その国の株式ETFか、代表的な不動産会社の株式を購入するのをおすすめします。
おすすめの海外不動産投資は、完成済み、中古物件
ここまで読んで、それでも、海外不動産投資やりたい!というガッツのあるあなたは、すごく勇者です!
この記事を書いている時点(2020年8月)で、新型コロナによる不動産市場への影響も大きくなっていますので、完成済み物件には投げ売りが必ず出てきます。
現地に自ら足を運ぶ
販売会社と直接やりとり、交渉できる
購入後も、最低、年に一度は現地に行くことが出来る
このような場合には、トライしてもいいのではないでしょうか。
ただし、投資はくれぐれも、自己責任で!
損をしないためには、最低限の英語が必要です。
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